黒 ゴ マ
黒ゴマ
<ゴマ科ゴマ属>
●主な栽培地
小名浜上か み か じ ろ神白 常磐下しもゆながや湯長谷町
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ゴ マ の 原 産 地 と さ れ る ア フ リ カ の サ バ ン ナ 地 帯 で は、 6000年以上前にゴマが栽培されていたといわれています。 そこからエジプト、インド、中国などさまざまな地域へと伝 わったと考えられており、エジプトでは、紀元前4000年に つくられたピラミッドからゴマが発見されています。インドに も紀元前3000年頃にはすでに伝わったといわれており、イ ンドに数千年前から伝わる医学(アーユルヴェーダ)では、実
際にゴマが治療に役立てられてきました。インドとほぼ同時期に伝わったとされる中国でも、 中国最古の漢方の原典である「神しんのうほんぞうきょう
農本草経」に、不老不死の秘薬としてゴマが紹介されています。 その後、ゴマは中国、朝鮮半島を経て日本に伝わったとされています。「ゴマの来た道」(小 林貞作著)によると、ゴマの日本上陸は縄文晩期で、稲作とほぼ同時期に伝わり、主に焼き畑 で作られていたとされています。さいたま市の縄文晩期の貝塚遺跡からもゴマが発掘され、 紀 元前1200年頃のものと推定されています。飛鳥時代に天武天皇が殺生肉食禁止令をだして から、ゴマはおおいに普及し、 寺などの精進料理にも多く使われるようになりました。しかし 当時のゴマは貴重品とされ、主に朝廷・大名・寺院などのいわゆる上層階級の食べ物でした。 ゴマが全国的に量産され、一般に広まったのは江戸時代になってからのことです。
「日照りごま」という言葉があるほどゴマは日照りに強く、栽培地を選ばぬ作物にもかかわ らず、いわき市内でのゴマの栽培件数は決して多くはありません。これは、三和や田人など市 内数か所に古くから残っている、ゴマを作ってはならないという言い伝えが起因していると思 われます。「神主様がつまづいてゴマの木で目をつついてしまった…」という内容の言い伝え により、いわき市内にはゴマの栽培を敬遠してきたお宅(地区)が少なからずあり、そのかわ りに、風味や調理法がゴマに類似しているじゅうねん(えごま)の栽培に偏ったと推測されます。
生産の歴史的由来
常磐 小名浜
黒 ゴ マ
ゴマの生長は早く、播種から収穫まで約 3か月です。6月初旬に畑に種を直蒔き し、ゾロゾロと芽が出たところを間引きし ます。生長とともに土寄せをし、様子を見 て化成肥料や牛ふんを追肥します。7月下 旬~8月初旬になると1m近くまで生長 し、下の方から次々にピンク色の花をつけ ます。花が枯れた順に、今度は細長い実を 付け出します。この中に、きれいに整列し てゴマが実ります。9月下旬になると、実 や茎が徐々に乾燥して変色してくるので、 根元で刈り取り、10本くらいずつ束ねて 日陰に1週間ほど干しておきます。この 際、花がつくのが遅い先端の実は未熟なた め、はさみで枝を落としてしまいます。乾 燥が進むと実の先端が割れて、中にゴマが 確認できるようになるので、シートなどの 上で逆さまにしてゴマを振り落とします。 この生のゴマはそのまま翌年の種となりま すが、食べる時には鍋で炒ります。栽培者 は、じゃこや大根葉とともに自家製のふり かけにし、香ばしさを楽しみながら食べて います。
27 栽培者のゴマ畑は、道路に面した畑の一 角にあります。ゴマの花が咲く時期になる と、道路を通る車のドライバーの目が自然 と畑に注がれます。見たことのない花に、 わざわざ車を停めて「何の花ですか?」と 尋ねる人も少なくないと言います。
栽培者は実母から畑を受け継いで以降、 年間約50種類の作物を作ってきたと言い ます。かつては自家採種により毎年栽培を くり返していた作物もありましたが、最近 は自宅で食べる分の野菜を栽培するにとど まっており、品種も徐々に減りつつありま す。その中で、この黒ゴマは母娘で半世紀 以上栽培が続けられている、栽培者にとっ ても馴染み深い作物です。
黒ゴマの詳しい由来は分からないとのこ とですが、ゴマやサトイモは奇数畝にする ものではないという母の教えを今でも守 り、手入れの行き届いた畑で、黒ゴマは天 に向かって真っすぐに生長しています。
ただひとつ苦手とすることは、お盆を過 ぎた頃から、ゴマの木に「ゴマ虫」と呼ば れる青虫がつくことです。ゴマの木にそっ くりな色と模様をもつこの青虫は、駆除し ようにもどこについているのか全く分かり ません。土の上に落ちる糞をたよりに見つ けますが、気持ちが悪く、これだけは何十 年栽培を続けていても慣れることがないそ うです。
小名浜上神白
母娘二代以上続く炒りたての香ばしさ
栽培方法
耕起した畝に糸を張り、それに沿って種 をばら蒔きします。「日照りごま」といわ れるように、湿気のなくなる梅雨明けが適 期です。
発芽して3~5㎝になったら間引きしま す。10㎝間隔くらいに間引くと良いもの が出来ると言います。
あまり施肥は必要としませんが、その代 りに草引きはまめにやります。
8月中旬になると花を咲かせ、そのあと 実を付けます。結実期にはゴマ虫(モフリ スズメ)が発生するので駆除しますが、保 護色で見つけづらいのが難点です。
9月下旬~10月上旬にかけて刈取りし ます。軒下等にシ-トやゴザを敷き、立て かけて乾燥させます。乾燥すると実が弾け てくるのでシ-ト上で種落しをします。一 度振り落したあとに、奥の実までしっかり 採るため、再度乾燥させ同じ作業をもう一 度繰り返します。
手箕によりゴミなどを取り除いたあと、 水洗いして十分乾燥させます。瓶に入れて 保管しますが、翌年の種には、一度目に振 り落した種を用いるのが良いそうです。 常磐下湯長谷町の栽培者は「自分の口に
入れるものは、自分で作れ」「黒ゴマは身 体に良いから絶やすな」との、代々の言い 伝えを忠実に守り、これまで自家採種によ り黒ゴマの栽培を続けてきました。
自宅脇に「城しろ坂」と呼ばれる急傾斜の坂 をもつこの地は、かつて山の上にお城を構 え、武家が多く建ち並んでいたといいます。 小高い場所にある畑は日当たりがよく、湯 本の町を一望できる見晴らしの良い場所に ありました。石混じりの土で、耕すのに苦 労してきましたが、地温が上がり良い作物 が出来るという特長もありました。
ゴマもまた、「日照りごま」の名の通り、 暑さ、干ばつにも強いため、この地で継承 されるに至りました。
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常磐下湯長谷町
自分の口にいれるものは自分で…が代々の教え
栽培方法
黒 ゴ マ
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